はじめに
私は2024年9月、ご来光を見るために富士山に登った。
両手で数えられる程度の登山経験しかなかった私にとって大きな挑戦だった。
そして結果的にこの出来事は私の学生生活のハイライトの1つになった。
登山の動機
私が富士山に登った動機は実にシンプルだ。日本で一番高い場所に行ってみたい。
私はこの年の2月、一人京都へ足を運んだ。その道中目にしたのが富士山だ。

東海道新幹線の車窓越しからでも十分にその雄大さを体感することができた。この時、私は最も富士山に近づいた。
それと同時にかの山に対する強烈な関心が生まれた。私もいつか登ってみたい。そう思った。
時は流れ、その年の5月。大学の同期と登山の話題になった。
同期のうち二人とは、この前年、ともに筑波山に登頂している。
その時、富士山の話題になり、皆で富士登山する運びになった
もう1人を加えて合計4人で富士登山を計画。決行は9月、夏休み真っ只中だ。
ツアーに参加
今回の富士登山ではvipツアーの富士登山フリープランに参加した。
参加したツアー
私たちはガイドをつけないフリープランを選択した。
ガイドが同行するプランも提供されているのでぜひ検討してほしい。
ツアーに参加するメリットは以下の通り
- 各地の駅と登山口間を結ぶ送迎バスがある
- 登山届などの手続きをツアー会社が行ってくれる
- 宿泊先の山小屋の手配もツアー会社側で済ませてくれる
さらに私たちが参加したツアーには。下山後の日帰り温泉もセットになっていた。
利用した日帰り温泉
私が実際に使用したものは以下の通りだ
- 帽子
- 防寒着
- リュック
- 登山靴
- 飲み物
- 多めの100円玉(トイレ用)
詳しくはこちらの記事で解説している。

1日目
私たちが参加したツアーは、まず朝7時すぎに新宿駅集合、その後バスで約3時間かけて登山口に向かうというものだった。
10時過ぎ富士スバルライン五号目に到着だ。
今回私たちは4つある登山ルートのうち、吉田ルートを利用した。
その吉田ルートの登山口が富士スバルライン5合目である。
この時点ですでに標高2300メートルである。
気温も20℃以下と、とても真夏とは思えない環境である。
ここでは高山病発症のリスクを抑えるため登山開始まで1時間から2時間ほど体を慣らすのが通例である。
幸いこの登山口には、食堂、特産品店など暇を潰せるスポットが多数用意されている。
昼食は五号目にあるレストラン、富士山みはらしで頂いた。
富士山みはらし

私は天ぷらうどんを注文した。私は某うどん店でアルバイトをするほどのうどん好きだ。日本のソウルフードだと信じている。
暖かい服装に着替えた後、12時登山開始だ。
ところが登山開始後からすぐに雨が降り出した。

雨は次第にその勢いを増していく。
大雨の影響で視界が悪くなっている。道中休みながら確実に登っていく。
さらに標高が上がるにつれてだんだんと空気薄くなっていく。気温も低下していく。
これまでの20年間で、最も肉体的にも精神的にもきつい4時間だった。
登山開始直後は会話が弾んでいたが、だんだんと口数も減っていった。
自分自身のことで精一杯だったのだ。
16時過ぎ、やっとの思いで本八合目の山小屋に到着だ。
滞在した山小屋は本八合目富士山ホテルだ。
本八合目富士山ホテル
1日目の行動は4時間ほどで終わったが、心身ともに疲弊し切っていた。
到着するや否や、山小屋のスタッフさんたちが暖かく迎えてくれた
また夕食も提供された。カレーライスが本当に美味かった
冷えた体にカレーが染み渡る。間違いなく人生で最も印象に残るカレーだ。

山小屋の方たちはとてもエネルギッシュだった。そのおかげで疲労困憊だった私たちも元気をもらえた。
山小屋ではペットボトル飲料やお菓子等を購入できる。
私は水筒の中身がなくなったので、ペットボトルの水を購入し水筒に補充した。
当日私たち以外にも多くの登山客が山小屋に滞在していた。
夕食後、山小屋を出発する2時過ぎまで仮眠を取るなどして過ごした。
高山病対策として仮眠をとる時、頭の位置を少し高くして寝ることが有効だ。
これによって低換気状態にならず、高山病予防になる。
具体的には衣類やリュックを枕がわりにして15度から20度角度をつければよい。
詳しくはこちらの記事で解説している。

しかし一緒に登ってきたうちの2人の体調がすぐれないらしい。軽い頭痛とのことだ。
頭痛は高山病の初期症状であるので、このまま登山を続行するか4人で話し合った。
話し合いの結果、あと数時間の辛抱だということになり登山の続行が決まった。
2日目
午前2時半、山小屋出発を出発した。目指すは山頂だ。
体調すぐれない二人の荷物を残りの二人(一人は私)で分担して運んだ。
人が列をなしてゆっくりと進んでいく。連なるヘッドライトがとても綺麗だった。
さらにふと顔を上げると、夜空には満点の星空。

普段星空を見る機会に恵まれないこともあり、すっかり魅了されてしまった。
途中外国人観光客の方からチョコを頂いた。彼はヨーロッパからこの富士山に来たらしい。
出自は違えど、目指す場所は同じだった。
そして午前4時、無事に10合目(山頂)に到着だ
10合目には神社や食堂があり人で賑わっていた。
食堂でうどんと缶コーヒーを注文。1000円ほどだ。

うますぎる!
冷えた体にうどんが注入されていく。
うどんは何食食べても飽きないものだ。
山小屋で十分に休めず、寝不足の状態だったが気力が回復した。
食事後ご来光を見るため、もう一踏ん張りだ。
山小屋から少し歩いて火口付近へ。
目下には雲海が広がる。

ドラえもんで雲を固めるひみつ道具があった。
目の前に広がる光景はまさに雲の絨毯だ。
雲が太陽を隠しており、なかなかその瞬間が訪れない。
その5分後、ついに太陽とご対面だ。

今までの苦労は全てこの瞬間のためにあった。
努力が報われたのだ。
これまで見たどの風景よりも美しかった。
この光景は一生涯忘れることはないだろう。
7時過ぎ下山開始。
前日の悪天候がまるで嘘だったかのような晴天だ。

当初予想だにしていなかったことであるが、登山は下りの方がきついのだ。
1日目の疲労もあり余計に足腰にくる。
景色が変わらない大きく変わらないことも下山のキツさにつながっていると思う。
とはいえあとは帰るだけなので、同期とくだらない話をしてたらあっという間に下山だ。
10時半過ぎ下山完了。
レンタルした登山用具の返却、着替えを済ませ早めの昼食だ。

1日目と同じレストランで、ご褒美のスイーツを頂いた。
やはり運動後は糖分が欲しくなる。ワッフルで疲労回復だ。
昼食を終えバスで日帰り温泉へ。
利用した日帰り温泉
普段シャワーで済ませていることも相まって、湯船の温かみに感動した。
蓄積していた疲労感を一気に吹き飛ばすことができた。
入浴後バスで新宿駅へ。
15時過ぎ新宿駅に到着。
こうして私の富士登山は幕を下ろした。
学び
私はこの富士登山で2つのことを学んだ。
ギバーの精神
私はこの登山を通して人間独りでは生きていけないことを痛感した。
私は昔から独りよがりなところがある。
何でもかんでも独力で突破しようとしてしまうのだ。
しかし今回の登山を通して私はこのやり方では通用しないのだと痛感した。
辛い時、壁にぶつかった時、他の人に協力を仰ぐこと。
これがどれだけ心強いものか分かった。
逆もまた然りだ。
自分に余裕があるのなら、その余裕を人のために使うことも必要だと学んだ。
今回の登山では一緒に登った2人が途中で体調を崩してしまった。
しかし健康な残りの2人で荷物を分担して持つことで、4人で登頂に漕ぎ着けたのだ。
当たり前のことだが、人のためになることをすると自身の気持ちも上向く。
自分の置かれている状況にもよるが、この登山以降ギバーの精神を持つことを意識するようになった。
努力は報われること
2つは努力は報われるということだ。
今回の登山の1日目は大雨だった。
これに加えて標高が上がるにつれて空気は薄くなるし、気温も下がっていく。気力も体力もどんどん削られていく。
全く先が見えない1日目の登山だった。
しかしそんな中で山小屋で食べたカレー、
そして何よりご来光。
これらが私を暖かく迎え入れてくれた。
1日目の行動が無駄ではなかった、報われたと感じた瞬間だ。
明確な目的があれば、人はそこに向かって頑張れる。
途中で退場しないことの重要性を理解した。
これは登山に限った話ではない。受験や就活、仕事にも通じると思う。
どの分野でも辛い瞬間は必ずやってくる。
しかしそこを乗り越えた先に必ず光があるはずだ。
この登山を通して養われた2つのマインド、これらは私の大切な資産となった。
終わりに
ここまで私の富士登山体験記をお送りしてきた。
この富士登山の後悔があるとすれば、それは剣ヶ峰に行けなかったことだ。
剣ヶ峰は富士山の最高峰で、真の頂上だ。
20代のうちにもう一度富士山に登りたいと思っている。
そしてその暁には剣ヶ峰に到達したい。
それではまた。

